色彩フォーラム’18「心とこころ Touch & Care」

色彩フォーラム’18「心とこころ Touch & Care」 2018年の色彩フォーラムは、9月29~30日に「心とこころ Touch & Care」というテーマで開催しました。

第1部の「拒触症と愛着障害」では、タッチングというテーマを幼児期の愛着の問題と絡めて考察する深い内容でした。
レクチャーでは、末永さんが1970年代に発表した「絵におけるザラザラタッチ」の研究から、スタッフも初めて見るような貴重な事例をたくさん見せてもらい、皮膚やアレルギー疾患が絵に表れることを如実に実感。その背景としての親子関係や愛着の経験がいかにその後の人間関係に影響するか、気づきの多い時間となりました。
その後は、古川綾子さんに教えていただきながら、2人一組で実際のヒーリングタッチを経験。心地良いリラックスタイムになったと思います。

そして第2部、ゲスト講師の精神科医・渡辺俊之先生のお話しは、これまでにないくらい会場が笑いに包まれ、「まるで漫談のようだった」という感想も聞かれたほど。ケアというテーマに結びつけて、これまでのご自身の複雑な生い立ちや屈折していた青春時代、家族関係、ガンの経験などを率直に開示しつつ、精神科医として自己分析を加えながら進められていく内容は、胸に迫る深いものでした。先生のお話しは、本当に多くの方に聞いていただきたかったです。

翌日の合同プログラム「オールジェネーション読み解きレッスン」。作者の年齢・性別を伏せての読み解きから始まり、新作「オールジェネレーションぬり絵」を使っての表現を堪能しました。このぬり絵は、「子ども」「おとな」「男性」「女性」の絵によく表れるモチーフをセットにしたもので、その日ぬりたいものを切り取ってコラージュするという新たな創作ぬり絵。
参加した皆さんからは、「とにかく楽しかった!」「自分の中には男性性、女性性、子どもの心などが混在していることが実感できた」など、大好評。

アンケート結果も予想以上の高評価をいただいたので、今回参加できなかった皆さんにもワークショップなどで体験していただく機会を考えたいと思っています。

報告は以上になりますが、1日目の最後の「協会員の活動報告」を聞いた方からは、「刺激になった」「私も何か始めたくなった」などの声が多数寄せられ、やはり今後もこうして協会員が集う場を作り続けていきたいと改めて感じた2日間でした。