4年程前から新宿・戸山ハイツにある「暮らしの保健室」で月2回、ぬり絵セラピーボランティアをしています。「暮らしの保健室」は、誰でも予約なしで利用できるよろず相談室。近所の方たちが病気のことはもちろん、日々の暮らしのことを話しに訪れ、地域の交流の場になっています。みんな誰かに話をしたい、聞いてもらいたいという思いは同じで、ぬり絵はそのためのツールの1つ。
病を抱えてついわがままになりがちなある利用者さんは、ぬり絵を楽しみに通ってこられ、「私はぬり絵で救われているの」と言ってくれました。
「ぬり絵はやらない」と頑固に言っていた男性の利用者さんは、フランスに知り合いの画家がいると話し、ある日「画集を見せようと思って」と持参。楽しそうに思い出話しをしてくれ、いつしか私は、この方が来ると「ボンジュール、ムッシュ」と声をかけるようになりました。
いろいろな立場の方と出会うことができるぬり絵セラピーの場。初めて会う方と話すのが苦手だった私が、ラポールをとるのが早くなり、苦手な人を作らないようになるなど、ここは私にとって人間形成の場になっています。
(下写真)「暮らしの保健室」で、ぬり絵セラピーの参加者と。