色どり薬膳ごはん

“何を” “どう食べるか” に気配りをして、普段の生活以上に体調管理

佐久本 恵 (国際中医薬膳士/「色彩学校」講師

世界中に拡がったコロナウィルス。緊急事態宣言が解除されたものの、安心して外出するには、まだ時間がかかりそうです。読者の皆様の関心は『心も体もコロナに負けないセルフケアの方法』ではないでしょうか。心のケアは色彩セラピーを実践。体のケアは、日々の食事を薬食同源という薬膳の考えに基づきながら整えてもらえたらと願っています。

【薬食同源】とは、食べることは薬物と食物はその源は一つ。食事は生命を維持するだけでなく、健康を増進させるものでなければならないという中医学の考え。

You are what you eat
~あなたはあなたが食べるもので出来ている

当たり前のこと過ぎて、あまり意識しない方も多いのですが、日々の食事が私たちの体を作っています。体を助けてくれ力を底上げするよう動いてくれる食事もあれば、体に負担がかかる食事もあります。疲れを感じている時は、より一層の注意が必要。体の疲れを感じないようにしたくて、強い刺激を脳が求め、ジャンクフードを欲したり、甘いものを多く求めたり、逆に食に関心が持てず疎かになったりします。ウィルスは人間のガードが弱くなったところを突いてきます。『自分の体は自分で守る!』の意識を高めて出来る限り暴飲暴食・偏食を避け、快食快便を目標に過ごすことで、コロナに負けない体づくりをしながら過ごしてくださいね。

食事で体調を整えられるという
“カラダ感覚” が掴めるようになる第一歩

体調・体質に合わせた食材を摂るようにしてみることと、お白湯を飲み、内臓をあたためる習慣を取り入れてみてください。

①胃腸の弱りを感じたら、消化を助けるもの
キャベツ、大根、芋

②心身バテ気味の時は元気を補うもの
米、山芋、鶏肉、エビ、鮭 

③ストレス溜め込み気味の時は巡りをよくするもの
ハーブ類、柑橘類、香味野菜

『免疫力アップ目指す食事』の中で、特に意識し大事にしていただきたいのは『腸を整える』こと

体の中の最大の免疫器官は腸管。腸は免疫機能の要と言われ全身の免疫組織の50%以上が腸管に存在していると言われています。腸内細菌(善玉菌と悪玉菌)のバランスをよくして快便を心がけることは「免疫力UP」に繋がります。

【免疫】とは、体内に侵入した病原体や病気の元と闘い排除したり防御したりする力のこと。

腸管は感染を防ぐためのバリアー機能を備えていて、腸内環境を整えることは免疫機能を高めておくことに通ずると言われています。
コロナウィルスと共に生活することを考えた時、ウィルスを除去することには限界がありそうです。そこで腸の自浄作用を発揮し活躍してくれるよう善玉菌を増やす腸活を心がけ、免疫力を高めることで、ウィルスに負けない自己防衛力を味方につけるという養生はいかがでしょうか。
快腸快便には、①食物繊維 ②発酵食品 ③良質な油 この3つを掛け合わせて腸に届けることが必要です。

腸活に必須3つのポイント食材と「緑と黒の食べ物」

①食物繊維
緑>
キャベツ、セロリ、白菜などの野菜、わかめやのり、もずくなどの海藻類は食物繊維が豊富に含まれている食材でおススメです。

<黒
玄米、雑穀、全粒粉、ココア、小豆、こんにゃく、ゴボウ、黒きくらげ、ワラビなど、黒い食材も食物繊維豊富です。

食物繊維だけを摂取すると逆に便秘や下痢になることがあるので注意が必要です!
そこで……

②発酵食品
納豆、ヨーグルト、ぬか漬け、塩麹、甘麹、ザワークラフトなど

③良質な油
酸化しにくい良質な油:オリーブオイル、MCTオイル、太白ゴマ油、森のバターと言われる「アボガド」も良質な脂質でおすすめです。

①②③を組み合わせて1日の中で食べることがポイントです。

少ない材料で、素材のうまみを味わえるようにしています。

キャベツと鮭のスープ

整腸効果と良質な血液づくりで美腸

<材料>2人分
キャベツ 1/4玉
玉ねぎ 1/4玉
生姜 1かけ
ニンニク お好み
生鮭 お好み
   (手順3参照)
ヨーグルト 適量 
バジルやデイル 適量

  1. キャベツ、玉ねぎ、しょうが、にんにく全てみじん切りし、少し多めと思うくらいのオリーブオイルで炒め野菜の旨味を引き出す。
  2. 1. にひたひたになるくらいの水を注ぎ、湧いたら塩で調味。
  3. お好みで、生鮭を塩してグリルすれば立派な一品に。手軽に済ませたいときには、スモークサーモンをのせれば、手間いらず。
  4. 仕上げにヨーグルト、バジルやディルなどの香りを添えてでき上がり。

グリーンソースが決め手の洋風おでん

夏バテ知らず、体力維持に役立つ

<材料>2人分
スペアリブ 4本~6本
とうもろこし 1本
ジャガイモ 2個


【グリーンソース】
パクチー 1袋
イタリアンパセリ 1パック
青唐辛子 1本
にんにくすりおろし

      風味付け程度
白ワインビネガー 小さじ2
オリーブオイル 大さじ4
塩 少量
クミンパウダー 少量

  1. スペアリブに塩をして保存袋に入れ冷蔵庫で8時間。ここで豚の旨味を引き出す。
  2. 鍋に1.の豚を入れ、豚が浸るくらいの水を入れ火を掛ける。灰汁が出てきたら綺麗に掬う。
  3. 2.の鍋にとうもろこしとジャガイモを入れ火を通す。
  4. グリーンソースをつくる。パクチー、イタリアンパセリ、青唐辛子をみじん切り。その他グリーソース調味料を入れ混ぜる。
  5. お好みで、とうもろこしにはチリ、ジャガイモにはバター、スペアリブにたっぷりグリーンソースをかけ召し上がれ。

もずくとアボカドのひきわり納豆和え

便秘改善をしたい時に食べてみてほしい

<材料>2人分
もずく 100g
アボカド 半玉
ひきわり納豆 1パック
ポン酢 適量
オリーブオイル

  1. もずくとひきわり納豆を一緒に良くかき混ぜる。
  2. アボカドとポン酢を1.に入れよく混ぜる。オリーブオイル回しかける。

※酢をお好みの白ワインビネガーや、米酢、オイルをMCTやごま油などに替えると洋風にも中華風の味付けにもなります。

佐久本 恵(さくもと めぐみ)
国際中医薬膳士/「色彩学校講師」

アートセラピーの現場で心の健康に携わり10年ほど経った頃、”体の不調は心の反映”という心身一如の観点に至る。そこから生活の中で出来るセルフメンテナンスとしての薬膳の勉強を始める。食へのこだわりは人一倍。美味しくて元気に繋がる日々のご飯を提案していきます。