秋の始まりの季節にとりたい食材と薬膳レシピ

佐久本 恵 (国際中医薬膳士/「色彩学校」専任講師

『薬膳』すべての食材に効能があり、その時の体調に合わせて食材を選び体をととのえるやり方。
日々の食卓が『薬膳』になり、皆さんの健康につながりますように。

夏休みの楽しい時間をと、子どもたちと行ったパフェの会

今回は少し、私の活動についてのお話をさせてもらえたらと思います。

7月の終わり、私が主宰しているアトリエ「こころね」にて初めてアトリエの子どもたちにキッチンエリアを開放し、夏のお楽しみイベント「親子で楽しむ オリジナルパフェづくりの会」を開きました。

「こころね」は普段は子どものアート教室を開講し、季節ごとに大人の方に向けて暮らしの薬膳教室を開いています。
コロナ禍の中で、飲食のイベントなんて……と思い、ためらう気持ちもありましたが、夏休みの計画を伺っていると近所や自宅で過ごすという返答が多く、旅行に行く、祖父母に会いに行くのも中止にした……など、夏休みのワクワクする楽しい時間が削がれていくのを間近で感じていました。
それで、身近で安心できる場所である「こころね」でスペシャルな時間を提供できたらなという思いが強くなり、今回の企画を考えてみたのです。
「こころね」にキッチンを作った3年前からずっと、「いつになったら僕たちは食べられるの、大人だけでずるい!」と、子どもたちにせっつかれていたところもありました。(笑)

最初はパフェをぬり絵で描き、彩り豊かなスイーツの出来上がり!

パフェの会では、最初にオリジナルパフェを考える『ぬりえ』表現するところからスタート! どんなパフェにしようかなとシンキングタイムを設け、そこから実際に本物のパフェを作るという工程を踏んでもらいました。
そこはやっぱりアトリエっ子たち! 色彩表現豊かに描き、イメージを形にしていく時も躊躇なく好きなように好きなものをパフェグラスに盛り込んで、素敵なパフェが出来上がっていきました。

▲オリジナルパフェぬりえと完成した本物のパフェ

描いて真剣 食べて満面の笑顔☆ 美味しそうな表情の親子の姿を見ていて開いてよかったなとsweetな気持ちをお裾分けしてもらえた口福な時間が流れました。

「こころね」で提供しているこのART(アートセラピー)のプログラムとEAT(薬膳)のプログラムは根底で通じているところがあると思っているのですが、そのことを一言でいうと ‶私を生きる力を育む” ということではないでしょうか。
ARTは、自分の心で感じていること、考えていることを色を用いて表現するという自己表現力を養い、EATは、心を宿す身体を作り健やかさを下支えする。
どちらも ‶自由に自分らしく生きる力” という大事なことを培ってくれると思って2つの軸を持ち、私はアトリエ「こころね」を運営しているのだなという認識を改めて深くした夏の始まりとなりました。

▲自分で作ったオリジナルパフェは一段と美味しい~!

9月1日から突如「秋の長雨」となり、体調が変調されている方も多いのではないでしょうか。この後まだ30度を越す気温が戻ってくるといいますので、熱さましと冷え防止の食材両方をその日の気温や体調に合わせて取り入れて健康管理に役立てていただけたら嬉しいです。

9月初旬 秋の始まりにおすすめの食材

●体に熱がこもっている: 熱を冷ます力のあるきゅうりスイカトマト
●湿度がつらい: 利尿作用がある冬瓜トウモロコシ
●体を潤すことに役立つ:

9月中旬 秋の深まりにおすすめの食材

●夏の疲れが体に残っている: 滋養強壮の力のあるオクラ山芋
●疲労回復、乾燥対策: 粘膜保護の働きがあるかぼちゃ
●呼吸器と胃腸の調子 を整えたい:大根
●美肌と肺を潤す: びわ

冬瓜と豚のスペアリブの煮込み

冷たいものが続いてしまったら
夏バテ予防と疲労回復効果の高いレシピです。

<材料>
冬瓜 半玉
豚スペアリブ 5本
料理酒 適量
カツオぶし 出汁パックにぎゅっと詰めたもの
塩 適量
しょう油 適量

【水出汁】
干しシイタケ 18g
昆布 18g
水 750㎖

  1. 水出汁の材料をお鍋に入れて1時間程放置。
  2. 沸騰したお湯にお酒、スペアリブを入れ、火をかけ、汚れ落としと臭み消しする。
  3. 冬瓜の皮をむき、食べやすい形にカットする。
  4. 1の鍋に2の冬瓜を入れて冬瓜が浸るくらいの水を入れ、火にかける。
  5. 沸騰したら出汁パックに入れたかつお節を入れ、火を弱火に。
  6. 冬瓜が柔らかく煮えたら、塩としょう油で薄めの味で調味。
  7. 2のスペアリブを鍋から取り出し、鍋を一度洗い、スペアリブを鍋に戻す。
  8. 6のお出汁をスペアリブのお鍋に入れ(スペアリブが半分ほど浸かるぐらい)塩としょう油を足して、スペアリブに味をしみこませる。
  9. 6と8を盛り付けて完成。(8で味が染み落ち着いたら、お肉だけ6の鍋に入れる)

季節野菜のスープ

味の変化が楽しめて作って置くと便利★
抗酸化力たっぷり体を平性にしてくれるレシピです。

<材料>
カボチャ 200g
人参 中1本
玉ねぎ 小1玉
トマト中玉 1つ
とうもろこし 適量
オクラ 5本
野菜ブイヨン 2個
塩 お好み
水 適量
粉チーズ お好み

  1. 野菜を食べやすい大きさにカットしお鍋に入れる。
  2. 1にひたひたになるくらいのお水を入れて火にかける。
  3. 沸騰したら、弱火にしてブイヨンを入れ20分ほど煮る(野菜のうま味を甘みを引き出します)
  4. お好みで塩で調味。
  5. 食べるときに粉チーズをかける。

【追記】

*【カボチャ・人参・玉ねぎ・キャベツ】をベースに、冷蔵庫にある野菜を使ってください。

*皮に抗酸化力が含まれているものが多いので、なるべく皮つきで用意してください。(無農薬、減農薬のものがおススメです)

*お野菜の色を意識して季節の野菜で彩りよく【緑・黄色・赤色】は入ると味のバランスも栄養のバランスも良くなります。

*カレー粉を入れると野菜スープカレー、チキンや魚介を加えて牛乳を入れるとクリーム系のスープ、中華出汁を入れ卵やキクラゲ、春雨などを入れると中華スープ、味噌を溶いてお味噌汁…味を変化させることで飽きずに楽しめる変幻自在お野菜スープです。

蒸し梨

ホットフルーツはいかが
喉・鼻・皮膚を潤す秋の味覚

<材料>
梨 半玉
クコの実 5粒ほど

  1. クコの実をお水に漬けて柔らかくする。
  2. 梨を切って耐熱皿に入れる。
  3. 10分蒸す(蒸し器無いときはレンジで500Wで5分)
  4. クコの実と一緒に召し上がれ

【追記】

*温めることで冷やす力を補完し、これからの時季に必要な潤う力に特化させます。

*クコの実があると甘酸っぱさが加わり、味のバランスがよくなります。

佐久本 恵(さくもと めぐみ)
国際中医薬膳士/「色彩学校」専任講師

アートセラピーの現場で心の健康に携わり10年ほど経った頃、”体の不調は心の反映”という心身一如の観点に至る。そこから生活の中で出来るセルフメンテナンスとしての薬膳の勉強を始める。食へのこだわりは人一倍。美味しくて元気に繋がる日々のご飯を提案していきます。