「色彩フォーラム’21」報告

2021年8月22日、今年の「色彩フォーラム」をオンラインで開催しました。2004年から毎年一度、対面で開催していた「色彩フォーラム」ですが、昨年はコロナ禍で見送ったので、2年ぶり、そして初めてのオンラインでの開催でした。約70名の参加者は、日本国内だけでなく海外から参加される方もいて、オンラインのメリットを感じました。

第1部 末永蒼生のメッセージ

今年喜寿を迎えた末永蒼生が、コロナ禍でできた時間を使って取り組んでいることや、その中で考えたことについてのお話しです。
参加できなかった皆さんのために、音声をシェアしたいと思います ↓ ↓ ↓

~末永蒼生のメッセージ~
好きなことだけをやるのが、最高のワクチン!

第2部 ワークショップ&シェア

「ぬり絵でつながるHeart to Heart ~ぬり絵で発散し、ぬり絵で気づき、ぬり絵で泣いて、ぬり絵で幸せ……」

6月から実施した「創ってみよう、MYオリジナルぬり絵」セミナーとの連動企画。フォーラム参加者には、事前にセミナーで生まれたぬり絵の中から好きな絵柄を選んで表現してもらい、当日は作者がファシリテーターとしてグループシェアを進行しました。

制作者ならでは、そのモチーフに込めた意図を考えながらの投げかけ、そしてその意図を超えた表現者のイメージの世界を共有することで、双方にとって深い気づきがあったようです。
最後は、2人の協会員の方にぬり絵セラピーの事例報告をしていただきました。

~事例報告~
●「子どものぬり絵が大人の心を動かした」
 初田 直子さん(ハワイ/アート療法士
●「ぬり絵を塗ることで心の枠から解放された」
 傳 未来さん(東京/上級認定チャイルドアートカウンセラー

コロナ禍になり1年半、自分にできることは何なのか考えてこられた協会員の方も多かったと思います。この事例報告も含め、今回のフォーラムを通して「ぬり絵の効果をあらためて実感した」というたくさんの感想をいただきました。その一部をご紹介します。

【参加者の感想】

◆F・Yさん(大分県)
スライドショーで皆さんの沢山のぬり絵表現に出会い、それだけで胸がいっぱいになりました。
グループシェアでは、 ぬり絵を作った方の意図や視点もうかがえて、私もぬり絵を作ってみたいと思いました。
雰囲気が似ている表現でも、全く違う気持ちのシェアもあり、あらためて深さや楽しさを感じることができました。話しながら自分で気づくことも多くあり、皆さんとシェア出来てよかったです。ありがとうございました。

◆O・Sさん(神奈川県)
フォーラムの参加は初めてでしたが、内容が盛り沢山で参加して良かったです。
特にぬり絵のグループシェアでは、同じ絵柄なのに表現は多種多様で、皆さんの発表から新たな視点を頂くことができました。
初田さんの事例紹介は少々衝撃的で、ぬり絵一つで命が救われた貴重な事例だと感じました。
最近ぬり絵からは遠ざかっていたので、久しぶりに勉強内容を思い出す良いきっかけになりました。

◆F・Mさん(大阪府)
制作者として参加させてもらいました。同じ絵柄でも、塗り手にとってのそれぞれのストーリーが込められていて、ぬり絵から言葉があふれ出していくような感じがしました。
第一部で末永先生がおっしゃった「繰り返しの日常が辛くなった時に、そうでないところに飛び出したくなり、自分を探し出す。ぬり絵を塗ることによって、日常と、変わりゆく自分の両方を感じられ、根本的に自分はどう生きたいか、を取り戻すチャンスを得ることができる」という言葉。ぬり絵をシェアしていて、正にその通りだなと感じました。

◆M・Mさん(神奈川県)
同じような志、共感を持ちあえる人がこれだけいるという確認にもありがたい場でした。
特に今回は、ぬりえセミナーからフォーラムという流れで、より「参加型」のイベントとなり、とてもよかったです。
ぬり絵を作成する行程は、塗ること以上に深く自分を内観することになりました。シェア通し、作品からそれぞれが発想されたことを伺うことが出来て「アートには、ことばには無い力がある」という、出会ったときの感動を思い出したように思います。
読み解きを学び、表現から自分が刺激されたり、感動したりするだけでなく、表現した人のどんな心が込められているのだろうと、考えてみるようになりました。でもきっと、読み解いたあとは、最初の表現を感覚と感性で眺めて受け止めてみるという循環が必要なんだろうなと思いました。
今回、制作→アドバイスをもらう→修正→シェアするという行程で、ぬり絵というひとつのアート作品を仕上げていくことができました。この行程は、言葉と感性が、とてもバランスの良い両輪になっていたと思っています。このバランス感覚で、これからもアートセラピーに関わっていきたいと思います。

第3部は、協会からのご案内

「ぬり絵を広げ、皆で社会貢献 ~“ぬり絵deこころつながるプロジェクト” のご紹介~」

今年後半は、協会の社会活動として、協会員から周囲の人へとぬり絵の輪を広げ、心の元気を届けよう! というぬり絵 de こころつながるプロジェクトを展開予定です。最後はその詳細とビジョンを皆で共有しました。
このプロジェクトについては、後日、お知らせします!

以上、今年の「色彩フォーラム」のご報告でした。