【オンラインでカウンセリング】

吉村 由紀子さん(「色彩学校」認定 色彩心理講師・上級認定 色彩心理カウンセラー)

アメリカの友人にオンラインを通じて行った色彩心理カウンセリング。じかに会うのとはまた違う可能性を感じました。

吉村さんは昨年、中級「色彩心理カウンセリングコース」を受講し、修了論文を書くに当ってアメリカ在住の友人にカウンセリングを実施。離れていて出来るのかと最初は不安もあったそうですが、予想以上の手応えを得ることができ、オンラインを通しての活動に今後の可能性を見出したと言います。

SNSを通じて友人に知人にカウンセリングを依頼

そもそも、吉村さんがオンラインでカウンセリングをやってみようと思った動機は何だったのでしょうか

吉村「コロナ禍により対面でのクライアントを探すことが困難であったことが一番の理由でした。また、もともと幼少期から引っ越しを繰り返して“地元”を持たない私にとって、近隣で都合のあう知人を見つけることは難しいとの判断もありました。
自分の置かれた状況から今後の活動を踏まえて、オンラインの可能性を感じ、SNSを介して知人・友人に向けて依頼。その中で興味を持ってくれた友人に内容の詳細、オンライン環境や必要な拘束時間などもお伝えし、了承を得てスタートしました。
クライアントになってくれたのは長年小学校教諭として活躍していた女性で、10年前にアメリカ人との結婚を機に退職。アメリカ在住のため、人種差別や政治的思想の相違などで、身近な人に対して不信感を抱くことが多くなったとのこと。加えてコロナ禍や治療中の持病もあり、カウンセリングテーマは『抑圧された社会の中で生活していくうえで自分の感情をコントロールしたい』となりました。

▲初回のぬり絵。カエルは、緊張や不安を抱えている今の自分。覆いかぶさる草は、社会情勢(人種差別、政治思想、コロナ禍)

クライアントが送ってくる表現の添付ファイルを開けるときのワクワク感は宝箱のようで……。

吉村「始める前は、画像からの読み解きがどこまで通用するのか?」という不安もありましたが、実際は全く問題ありませんでした。先に送られてくる表現のデータを開けた瞬間に、“あ!ずいぶん心を開いてくれたな“と思っていると、当日のセッションではやはり深いところのお話をしてくださるし、“お!色相が広がって安定してきたな”と思っていると、当日は顔つきが変わっており、明るいオーラを感じるようなものがありました。
ホームワークの表現が届くまで、前回のカウンセリングがどの程度通用したのか心配しつつ、添付ファイルを開けるときのワクワク感は宝箱のようで、私自身もカウンセリングを通して一緒に前を向けるような高揚感をいただきました」。

ZOOMの共有画面で、これまでの表現を並べることで説得力のあるカウンセリングにつながりました。

セッションは全部で5回行われました。末永メソッドのカウンセリングでは、クライアントの表現をもとにセッションを進めます。とはいえ、直接会うこともなく、しかもオンラインで個人の内面の問題を掘り下げていくということに難しさもあったのではないかと思われますが、そこは吉村さんなりにさまざまな工夫をされたようです。

吉村「表現は予めメールにて送ってもらうのですが、表現をしていた時の感情を忘れてしまいがちなため、毎回、使用画材、塗った順番、その時の感情などをメモしていただき、一緒に送ってもらいました。当日は、その記載内容に沿って質問をしていくことでクライアントもその時の感情を思い出しやすく、スムーズなセッションが可能となりました。
また、表現をデータで扱えるメリットを利用し、ZOOMの共有画面では過去の表現との比較をして心理の変化を実感していただいたり、カラーヒストリーからひも解いた分子色彩について、切り取った表現を並べることで説得力のあるカウンセリングに繋がったように思います。
特に最終回で、セッションのまとめを共有画面に提示したのは良かったと思いました。クライアントは色彩の変化を実感して、テーマに対する成果が明確化されただけでなく、カウンセラーにとってもカウンセリングの着地点を見出すことができ、締めくくることが出来ました」。

▲セッション4回目「これからの生き方、未来」をイメージして。美しい夕日に向かって家族でゆっくりと穏やかに歩いていくイメージ。初回の「負けないもん」とほぼ同じ色使いだが、明度が上がり明るさを感じさせる。

離れていても出来ることはある。今後もオンラインを主軸に社会貢献に繋がる活動をしていきたい。

上級プロフェッショナルコースにも進み、これから活動していこうという吉村さん。彼女にとって、オンラインでのカウンセリング体験はどのような意味があったのでしょうか。

吉村「離れていても出来ることがここにはあると思いました。特に今回は身近な方に自分の心の状態を日本語で伝えることが難しい環境のクライアントだったので、微妙な心情を共有できたことはオンラインだからこそだったと思います。
海外在住とまではいかずとも、きっと心理的問題をご自身の活動圏内で解決できない環境の方は少なくないと思います。
コロナ禍ゆえ、今回の実習協力者を探すのが難しかったということは、逆にクライアントにとってもカウンセラーを探すのが難しい世界になってきているということでもあるので、オンラインを主軸に社会貢献に繋がる活動ができるよう模索していこうと思っています。今回のカウンセリングを通して、さらに活動してみたいと意欲が出てきたことに感謝の気持ちでいっぱいです」。

クライアントの方からの「色彩学校」への手紙

今回、吉村さんのカウンセリングプロセスを詳細に記した論文には、末尾にクライアントの方からの「色彩学校」へのお手紙が添えられていました。
ご本人の許可を得て、最後にこのお手紙の一部をご紹介したいと思います。それぞれのやり方で、この活動を継続していこうと思っている協会員の皆さんへのエールだと思ってお読みください。

手紙全文はこちらをクリック

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