生きることに困難を抱えた画家たちは、内面に渦巻く感情をキャンバスに解き放ち、心を癒やし、生命の歓びを描いた──。
洋の東西の画家からモダンアート、禅画、子どもの絵に至るまで。作品を読み解くことで作者の人生や背景が鮮やかに甦る。
長年に渡り色彩心理の研究とアートセラピーに取り組み、絵は心の表現ととらえる著者が絵を深く味わう見方を綴った一冊。
◆目次
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1.色彩に見る心の変遷
[ニキ・ド・サンファルと上村松園]
2.色が消えるとき
[長谷川等伯とモーリス・ユトリロ]
3.水彩で心安らいだ文豪たち
[夏目漱石とヘルマン・ヘッセ]
4.陰影表現に見る、人生の光と影
[葛飾応為とエドヴァルド・ムンク]
5.自画像ー画家の深層を映す鏡ー
[フリーダ・カーロと石田徹也]
6.怖いけど見たい、ダークサイドの美
[月岡芳年とフランシス・ベイコン]
7.病から生まれた新たな手法
[高村智恵子とアンリ・マティス]
8.孤独に支えられた独創性
[田中一村とジョージア・オキーフ]
9.囚われを超えて、空を描く
[イブ・クラインと仙厓]
<COLUMN>
■心の歴史を色彩で振り返る「カラーヒストリー」
■絵と長寿の関係、あるいは高齢者のためのアートセラピー
■ストレスフルな現代にこそ必要な、絵による気分転換
■内なる〝光と影〟を映し出すぬり絵セラピー
■子どもの絵から大人のセラピー表現まで、自画像いろいろ
■トラウマを吐き出すセカンドステップセラピー
■精神疾患の治療の一環として始まった芸術療法
■環境の色彩とアートセラピー 子どもたちの自由な創造力はアートの原点
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