ひまわり・ぬり絵PJの輪 「子どもたちとリレーアート」

戦争で傷ついている子どもたちを支援する「ひまわり・ぬり絵プロジェクト」へのご協力ありがとうございます。
主旨に賛同いただいた協会員の方々が、自分の周囲で、あるいはワークショップやアトリエを企画して、楽しみながらプロジェクトの輪を広げてくださっています。今回はその中から2人の活動例をご紹介。
今回の戦争は、残念ながらまだまだ終わりが見えません。

皆さんも小さなことでも良いので、自分のできることからご協力いただけたら幸いです。
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子どもたちとリレーアート

報告者:佐々木麻里さん    
(奈良県/子どもアート療法士)

奈良県橿原市にある児童発達支援・放課後デイサービスの事業所「にじいろくれよん」で児童指導員として勤務している佐々木麻里さん。今、世界で起こっている出来事に何かできないものかと日々もどかしく過ごしていた矢先、このプロジェクトのことを知り、事業所を利用している子どもたち20名と一緒に「リレーアート」という取り組みを実施されたそうです。子どもたちの反応はどのようなものだったのでしょうか。

「にじいろくれよん」では、曜日ごとのチームで1つの作品を仕上げる「リレーアート」という取り組みを計画していました。それは、一人ひとりの価値観は異なるけれど、お互いを尊重しながらも自分の色を出しつつ、みんなの想いを繋いで1つの作品として形にできたら素敵だなぁと考えたからです。
そんな時に「ひまわり・ぬり絵プロジェクト」のことを知り、1つの画用紙の中で相手を尊重しながら共存していける……、それは平和を願う想いにもつながっているように感じ、題材として “ひまわり” を取り上げることにしました。

ぬり絵制作の手順としては、A3に拡大したぬり絵の自分の担当パーツにマスキングテープをちぎって貼っていき、リレーのようにして順番にパーツを貼り合わせていきます。
6月前半の2週をかけて、ぬり絵が出来上がりました。

実施に当たり、子どもたちに今回の意図を伝えるため、最初にクイズを交えたスライド学習を行いました。

なぜ、“ひまわり” なのか?
今、世界で何が起きているのか?
私たちにできることは?

普段は話を聞くことが難しい子どもも、今回の意図が分かった途端、ものすごい集中力を発揮し、積極的にチームを完成まで導いてくれました。
それぞれに想いを込めながら、配色を考えていましたが、出来上がってみるとどの曜日も全体的に、ウクライナの国旗の色をイメージした配色が目立ちました。

始める前、私には正直不安がありました。
ウクライナとロシアの話にどこまで踏み込めるか、子どもたちはどこまで理解できるか。
私自身、連日のTVの報道等で気持ちが沈んでおり、同じように刺激に敏感な子どもたちがいる中でスライドを見せることにも抵抗がありました。
しかし、実際に取り組んでみると、こちらが思うよりも深いところまで考えている子が多くいることに驚きました。
以下、今回の取り組みの中であがった子どもたちの声です。

「ウクライナとロシア、仲直りできないのかな?」
「悪いのはプーチン!」…ロシア国民が悪いわけではない。
「でも、ウクライナもロシアに戦争に行ってるんやろ?」…誰が正しくて間違ってるか決めることはできない。片一方を裁けない。みんな戦争の犠牲者。
「ロシアばかりが悪いと言われて、悲しくなる。」…ロシアにも悲しい想いをしている人たちがたくさんいるはず。
「最後のパーツは、特別な色にしたい!」と言いながら、ロシア国旗の色を組み合わせたパーツを作って貼る。

今回の「ひまわり・ぬり絵プロジェクト」で、子どもたちはそれぞれに深いところで自分の気持ちと向き合い、想いを色で表現してくれたように思います。

そして、もう1つ、「にじいろくれよん」では、ぬり絵プロジェクトと連動して「ひまわり募金箱」を玄関に設置しました。
初めて募金をする子も多く、募金の意義なども子どもたちに伝わるように、保護者の方々と連携して行っています。

子どもたちは、
「10円でのいいの?自分のお小遣いから出したいから、次持ってくるね!」
「これでウクライナの子、助けられるん?」

と純粋な気持ちを分けてくれました。

私一人では何もできない悔しさや歯がゆさを抱えて日々過ごしていた中で、今回の「ひまわり・ぬり絵プロジェクト」の想いに強く共感しました。
そして、「にじいろくれよん」の子どもたちと一緒に想いをつなぎ、今、ウクライナ情勢下で悲しい想いをしている人たちのココロに少しでも元気を届けられたらなぁ、と願っています。
ありがとうございました。

●児童発達支援・放課後デイサービス「にじいろくれよん」HP Instagram