末永蒼生の“クレヨン先生”通信〈親と子のための色彩心理入門〉色シリーズvol.3「黄色」

【色シリーズvol.3

黄色は赤、青とともに3原色の一つで大切な色です。
大雑把にいえば、この3色で人間の心は出来ているといってもいいくらいです。そういえば、交通信号も3原色です。信号の場合、赤は止まれ、黄色は注意、青は進めですね。これは人間の気分とよく合っていると思います。
心理的にも赤は興奮や緊張、黄色は気分の切り替え、青は安心といってもいいでしょう。
黄色の「気分の切り替え」は、いろんな感情を伴います。光を思わせる黄色は新しい期待や希望のイメージにも繋がります。
実際、子どもが黄色い色を好む時には、前向きの気持ちになっていることが多いようです。

①小学校に入学した4月。アトリエでは元気で社交的だが、学校でも「もっと自分自身を発揮したい」そんな希望や学校生活への期待が、画用紙からはみ出てるほど長い髪の毛になった。
②学校でも積極的にお友達と関わっている。ケーキはお店で売るもので、レシートやアンケートなども追加で作る。学校生活の楽しい気分やコミュニケーションの広がりなど、期待に溢れている様子

2011年の東日本大震災の際にも、復興に向かう中で画用紙いっぱいに両手を広げた女の子の服を黄色で描いた女児がいました。不安の中にも明日への希望を抱きしめていたのかもしれません。

*小学生の女の子*
東日本被災地で描いた絵。画面いっぱいに手を広げた姿と黄色い服が前向きの気持ちを感じさせてくれる。

大人であっても、何か新しいことに気持ちが向かうときには黄色が力になってくれます。黄色を身につけると明るく見えるというのは、色の反射だけでなく黄色が気分を切り替えてくれる心理効果が表情を活気づけるのかもしれませんね。

※今回ご紹介した例は絶対的な意味というものではありません。なにより選んだ本人にとっての意味が大切なので、色から心の動きを自由に想像してみることを楽しんでください。