末永蒼生の“クレヨン先生”通信〈親と子のための色彩心理入門〉色シリーズvol.5「ピンク色」

【色シリーズvol.5】

先日、あるお母さまからこのような質問を受けました。
「6才の娘ですが、ピンク色が大好きで服選びもピンクには目がありません。性別と色の好みは関係あるのでしょうか?大人の場合はどうでしょうか?」
アトリエ教室でも「ピンク大好き!」というお子さんはたくさんいます。特に幼児期の女の子はもちろんのこと、男の子たちも大好きです。そこには一体どんな心理があるのでしょうか。

人間の色の好みを生み出す要素は2つありそうです

一つは純粋な個人的な好み。味覚と同じで性別や年齢などは関係ありません。
もう一つは社会的な影響。
日本では青は「男の色」、赤やピンクは「女の色」という使い分けをしますね。生まれた時のベビー服から始まって街の公衆トイレのマークに至るまで色が性別の印になってしまっていますね。

ちなみに色彩心理の調査ではピンク色を使う場合、一般に「解放感、幸福感、優しさ」といった心理的な傾向があります。日本では、子どものころから男の子はしっかり、女の子は優しくということが期待されがちですから、ピンク色と女の子が結びつくのでしょう。
こういう男女のイメージは国によって異なるので人為的なものです。実際、幼児が自由に描いた絵を調べると、色の好みに男女差はほとんどありません。ということはもともと感情や性格にも男女差はないといってもいいかもしれません。優しい男の子もいれば、しっかり者の女の子もいて当たり前ですから。

*5才 女の子*
開放的で楽しいコンサートの様子がピンク色からも伝わってくる

*3才 男の子*
「ママにプレゼントする!ハートってどうやってかくの?」と一生懸命お父さんに聞きながら完成。ママへの愛が溢れています

おそらく子ども自身が「男の子の色」「女の子の色」を気にするようになるのは5歳前後から小学校にかけて集団生活をするようになってからだと思います。子どもの中に社会性が育ってきたといえます。

この時期に大切なことは、集団の中での「色」と個人的に絵を描く場合の「色」は使い分けていいことを伝えることです。というのは、性別にかかわらず使う色数のバリエーションが多い子どもほど、心理的には感情のコントロールがいいという傾向があるのです。

*8才 男の子*
ピンク色で描かれた可愛い女の子の絵。クラスに好きな女の子がいて優しい気分になった頃の絵。そんな時、男の子でもピンクを使いたくなる。

子どもも大人も、男女問わず心がハッピーなときは「ピンク色」

次にご紹介するのは、40代女性の作品です。
「以前は子どもたちに対して怒りの感情が湧き起こることが多かったけれど、最近は子ども達を優しい気持ちで見守れるようになった。」とお話しくださいました。まさに、優しい気持ちのピンク色ですね。

最近は男女問わずピンク色の髪色を街で見かけることも多くなりました。街を颯爽と歩き揺れるピンクヘアーを見ると、なんだかこちらまでハッピーな気持ちになるものです。それもピンク色が持つパワーなのかもしれませんね。
先ほどの男の子の作品のように、男女問わず気持ちがハッピーな時は「ピンク色」といったように、いくつになっても性別関係なく、色を通してリラックスしたりコミュニケーションを楽しむことはとても素敵なことではないでしょうか。

*40代 女性*
子育ても一段落してきて仕事を始めたころに彩色したぬり絵

※今回ご紹介したピンク色の例は色彩心理の調査に基づいた要素と、カウンセラーとお子さんとの関りやお子さん自身の状態なども含めてご紹介しています。なにより選んだ本人にとっての意味が大切なので、色から心の動きを自由に想像してみることを楽しんでください。