末永蒼生の“クレヨン先生”通信〈親と子のための色彩心理入門〉画材シリーズvol.1「ねん土」

「子どものアトリエ」には様々な画材が用意してありますが、それには子どもの発達と結びついた理由があります。色彩シリーズと併せて、画材についてのエピソードもお届けしたいと思います。きっとお子さんの作品を眺めるときにいろんな発見をしていただけると思います。

【画材シリーズvol.1】

今回は色シリーズはちょっとお休みして、アトリエ教室でも人気の画材「ねん土」ついてお話しします。
アトリエでも大人気の「ねん土」。子どもたちはどうしてあんなに熱中してねん土をこねるのでしょうか?その効用とはいったいどのようなものでしょうか?子どもの成長には順番があり、それが分かるだけで子育ては楽になりますよ。

「ねん土」は子どもの発達にどんな関係があるの?

乳幼児期に育つのは、生理的な部分、特に皮膚感覚。人間が外界と交流するときのセンサーはまず触感から始まると言われています。親に抱かれて安心をしたり、皮膚感覚を通して危険を察知したりします。
つまり乳幼児期に適切な刺激によって触感が育つことは、子どものその後の成長を支えることになるのです。皮膚に必要な刺激が与えられていると、身体面では消化力、呼吸機能など自律神経が順調に働き健康です。一方、心理的な面でも、不安から起きる夜泣き、夜尿、愛着障害、言語能力の停滞などが起きにくくなるようです。実際、スキンシップをたっぷり受けている子どもほど成長の遅滞が起きにくいことが報告されているのです。

ねん土は小さな子から大きな子、おとなでも触感を充分に楽しめる画材です。

「ねん土」は子育てのサポーター!

アトリエ教室ではねん土が大人気!なぜなら子どもたちは、ねん土いじりを通して本能的に触感を満たそうとしているからです。小さい子どもほど何かと親にまとわりついたりしますね。これは単に甘えているというより、脳が触感というセンサーを育てようとして行動させているのです。でも、親にしてみると体を使ってつき合うのはなかなか大変!
さあ、ここで登場するのが「ねん土」です。

アトリエの子どもたちの場合、ぐずらなくなった、指しゃぶりが減った、夜よく眠るようになった、機嫌よくなった、アトピーなど皮膚のトラブルによるストレスが減少したなど、子どもの状態が好転するのです。
まさしく、「ねん土」は子育ての心強いサポーターですね。

※アトリエ教室の「ねん土」は手触り、発色、混ぜ合わせた際の混色具合にこだわった樹脂粘土を使用しています。

幼児期が「ねん土」なら、学童期は「スライム」で触感を満喫してたっぷり充電

「ねん土」は幼児期に触感を味わいながら、その特徴や性質を知ると、学童期には自由自在に立体物、粘土絵等、作品を創る画材となり、造形力や色彩感覚などの能力へと変化、成長していくことが多いようです。
とはいえ、時には触感をたっぷり味わいたい時もあると思います。そんな時、大人気なのが「スライム」です。
特に新年度を迎えたこの春、新しい環境に意欲的に望むと同時に、緊張や不安もあったことでしょう。そんな気持ちをほぐしてくれたのが「スライム」のようです。

色も固さも自由自在に自分好みに調節できるので、その時の気持ちにぴったりフィットしやすいようです。材料(洗濯のり、ホウ砂、水、絵の具、インクなど)を混ぜる順番も、分量も重要!そんな、科学実験的要素が高いのも学童期のお子さんの知的探究心を刺激するようです。

*この春、新1年生の子どもたち*
触感をたっぷり味わったお子さんたちは次に配合や着色の研究へと思考スイッチ(科学実験)にステップアップしていきます。

創作に没頭することは、発散効果に繋がり、触感や色を存分に味わうことで、リラックス効果も得られます。子どもたちはそうやって、“自己治癒”しながら、たっぷり充電して、ステップアップしていくのかもしれませんね。

大人の皆さんは疲れた時、ストレスを感じた時、「温泉に入りたい!」「マッサージされたい!」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。時に大人も触感をたっぷり味わうことは、日常生活において大切なのかもしれませんね。

今回ご紹介した「ねん土」の効果も、実際には子どもによってもっと様々です。カウンセラーとお子さんとの関りやお子さん自身の状態なども含めてご紹介していきます。なにより創作した本人にとっての意味が大切です。たとえば、「リラックスできた」「面白い形を作りたくなった」などいろんな発見が生まれます。創作から心の動きを自由に想像してみることを楽しんでください。

1 COMMENT

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です