【色シリーズvol.2】
みなさんはどんな時、青色が気になりますか?子どもたちは新学期が始まり1か月が経ちました。この時期、アトリエでは「青」を選ぶお子さんが多く見かけられます。
青色を好むということには二つの理由がありそうです。一つは心理的な理由。もう一つは環境的な理由です。
●心理面を反映する青
例えば小学校に進級すると勉強で机に向かうことも増え一人で集中する時間も多くなります。こういう時期は、青という色が気分的にも落ち着きを与えるようです。ちなみに色彩心理の調査では、一般的な傾向ですが赤やオレンジなどの暖色系の色は外へと興味が広がる「外向的」な気分を表すことが多く、それに対して青などの寒色系は「内向的」な心理を反映することが多いようです。内向的な心理と言っても、自分のやることに対して頑張りたいという感じです。
集団生活での環境も変わり、新たなことに取り組みたいという気持ちが溢れているのかもしれません。そうやって子どもたちは新たな環境に対応する能力を自ら育てていくのでしょう。
*新1年生 男の子*
写し絵に挑戦。写すことで電車の特徴を描く練習をしていき、集中力、観察力も養っていきます
*新1年生 男の子*
「前進したい!頑張りたい!」
気持ちが大好きなロマンスカーになりました
*新1年生 女の子*
学校が始まってからしばらくしてからの頃、「自分の心を大切にしたい」という自立の気持ちが画用紙いっぱいに溢れています
*新4年生 男の子*
「自分の世界を大切にしたい、新しいクラスの中で自分を見失わずにやっていこう」と決意した時、模造紙に大きく描きました。心の自立が感じられます
●環境面からの影響が反映する青
例えば小学校になると男女が分かれて活動することも増え、互いに性別を意識しやすくなります。そういう場面では、従来からの青=男の色、赤やピンク=女の子の色といった記号的な色の使い方を意識するようになりがちです。公衆トイレの男女の色分けサインのように社会的記号として覚えたことなので、後天的なものです。
小学生ともなると社会的な記号を身につけるので、男の子であれば「青」を “自分の色”として選ぶというお子さんもいることでしょう。
ただし、このような記号的な色使いと心を表現する色使いは別です。私の研究でも、心理面では男女に色の好みの違いはありません。感情表現に性別はないからです。ですので、自由に絵を描いたり服を選んだりするときには、あまり固定概念にとらわれずに自由に表現することが大事です。なぜなら、心理面の健康といった面からは、どの色でも自由に選択することが効果があることが分かっているからです。
ここ最近は多様性を尊重する社会へと変わってきているので「青=男の色、赤やピンク=女の子の色」という色の表記も変化しつつあり、性別にかかわらず色を自由に楽しんでもいいという雰囲気が広まってきています。男女ともに素敵な色彩センスでお洒落をしながら、楽しい心を大切にできたらいいですね。 ぜひ、この機会にご家族で色を通してのコミュニケーションを楽しんでください。
*1年生 男の子*
「おしゃれでしょ?」と自分の爪をカラフルに塗りました!純粋にオシャレや色を楽しむ気持ちに男女は関係ないですね
※今回ご紹介した色の意味は絶対的なものではありません。お子さまご自身にとっての色の意味が大切ですので、それを見出すヒントにしてください。